AstroPlotorium ユーザーマニュアル

AstroPlotorium は、同じコンピュータ上で動作している AI アシスタントからコマンドを受け取って動作することができます。AI アシスタントはスクリプトコンソールとまったく同じ機能(ビューの切り替え、時計の操作、観測地の変更、レイヤー表示、天体の選択など)を使って、現在開いている AstroPlotorium を直接操作できます(コンピュータ内の他のファイルを勝手に閲覧することはありません)。
コマンド名、角度の表記、時間の単位、およびレイヤー ID は、スクリプトで説明しているものと共通です。カメラの旋回、ズーム、およびアニメーション付きの時間移動は、その動作が完了してからツールの応答が返る仕組みになっているため、直後にスクリーンショットを撮影すれば、移動が完了した落ち着いた状態の画面を確実に取得できます。
MCP サーバーを有効にする
- ステップ1: AstroPlotorium を起動し、画面左上の【Home】メニューを開きます。
- ステップ2: 「MCP Server (localhost)」にチェックを入れます。
- ステップ3: サーバーはこのコンピュータ内(ローカル)でのみ待ち受けを開始します。エンドポイントの URL は以下の通りです。
http://127.0.0.1:8765/mcp
このメニュー項目にチェックを入れるまではサーバーはオフになっています。チェック状態は次回起動時にも記憶されます。チェックを外すか、アプリを終了するとポートは閉じます。AI アシスタントから接続する際は、あらかじめ AstroPlotorium が起動しており、「MCP Server (localhost)」にチェックが入っている必要があります。
ポート番号を別途変更していない限り、上記のアドレスをそのまま使用してください(ポートを変更している場合は、URL 内のポート番号をその値に置き換えてください)。
初期状態ではパスワード(認証トークン)は不要です。もしトークン認証を有効にしている環境では、AI アシスタント側から Authorization: Bearer <トークン> ヘッダーを付与して送信する必要があります。
※クラウド上の外部コネクタから 127.0.0.1(ローカルホスト)へ直接アクセスすることはできません。MCP サーバーは必ずこのコンピュータ内のみで使用し、ポート 8765 をインターネットへ開放(ポートフォワーディング)しないでください。トークンを使用する場合は、セッションのパスワードと同様に厳重に扱ってください。
Cursor での接続設定
Cursor はローカルの HTTP アドレスを直接指定して接続できます。
- ステップ1: プロジェクト内の
.cursor/mcp.json、またはホームディレクトリの~/.cursor/mcp.jsonを開きます(両方のファイルにastroplotoriumが定義されている場合は、プロジェクト側のファイルが優先されます)。または、「Cursor Settings → MCP」から追加することもできます。 - ステップ2: 以下の設定を記述して保存します。
{
"mcpServers": {
"astroplotorium": {
"url": "http://127.0.0.1:8765/mcp"
}
}
}
トークン認証を使用している場合は、以下のように headers を追加します。
{
"mcpServers": {
"astroplotorium": {
"url": "http://127.0.0.1:8765/mcp",
"headers": {
"Authorization": "Bearer YOUR_TOKEN"
}
}
}
}
- ステップ3: サーバーが表示されない場合は、Cursor の MCP 設定画面で有効(オン)になっているか、また AstroPlotorium 側で「MCP Server (localhost)」にチェックが入った状態で起動しているかを確認してください。
Claude Desktop での接続設定
Claude Desktop はローカルツールをコマンドラインプログラム(標準入出力)として起動する仕組みのため、設定ファイルの URL 欄から直接 http://127.0.0.1 を呼び出すことはできません。そのため、npx コマンドが使えるよう Node.js 18 以降をインストールした上で、mcp-remote ブリッジを経由して接続します。
- ステップ1: Claude Desktop のメニューから「Settings → Developer → Edit Config」を開きます(設定ファイルが存在しない場合は新規作成します)。
| OS | 設定ファイルのパス |
|---|---|
| macOS | ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json |
| Windows | %APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json |
| Linux | ~/.config/Claude/claude_desktop_config.json |
- ステップ2: すでに他の MCP サーバーを設定している場合は、それらを消さないよう既存の
mcpServersの中にastroplotoriumの項目を追加します。
{
"mcpServers": {
"astroplotorium": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"mcp-remote",
"http://127.0.0.1:8765/mcp",
"--allow-http",
"--transport",
"http-only"
]
}
}
}
※ -y は確認プロンプトなしで npx を実行するオプション、--allow-http はローカル HTTP 接続を許可するオプション、--transport http-only は AstroPlotorium の通信方式に合わせるための指定です。
トークン認証を使用している場合は、Bearer … に含まれるスペースが正しく渡されるよう、以下のように環境変数(env)経由でヘッダーを指定します。
{
"mcpServers": {
"astroplotorium": {
"command": "npx",
"args": [
"-y",
"mcp-remote",
"http://127.0.0.1:8765/mcp",
"--allow-http",
"--transport",
"http-only",
"--header",
"Authorization:${AUTH_HEADER}"
],
"env": {
"AUTH_HEADER": "Bearer YOUR_TOKEN"
}
}
}
}
- ステップ3: メニューバーやシステムトレイに常駐しているプロセスも含めて Claude Desktop を一度完全に終了し、再起動します。メッセージ入力欄にハンマーのアイコンが表示されれば、ツールが利用可能になっています。
Claude Code での接続設定
Claude Code はローカルの HTTP アドレスを直接登録できます。
- コマンドラインから追加する場合:
claude mcp add --transport http astroplotorium http://127.0.0.1:8765/mcp
- 設定ファイル(
~/.claude.jsonまたはプロジェクトの.mcp.json)に記述する場合:"type": "http"を含めて記述します。
{
"mcpServers": {
"astroplotorium": {
"type": "http",
"url": "http://127.0.0.1:8765/mcp"
}
}
}
AI アシスタントで実行できるツール一覧
AI アシスタントには、普段の自然な言葉で指示を出してください(例:「土星を表示して視野を2度にして」「今夜の東京の空を見せて」など)。アシスタントは内部で以下の MCP ツールを呼び出してアプリを操作します。
| ツール名 | 動作内容 |
|---|---|
goto、view |
指定した名前の天体を選択し、カメラを向けます。 |
navigator_select、navigator_list |
左側の【Navigator】メニューの行をタイトルまたは ID で開くか、現在の【Main View】で選択可能な行の一覧を取得します。 |
set_fov |
視野角(FOV)を度(数値)または角度文字列で設定します。 |
set_layer、list_layers |
レイヤーの表示/非表示を切り替えるか、レイヤー ID の一覧を取得します。 |
set_constellation_visible、list_constellations、set_constellation_preset |
個別の星座の表示切り替え、星座一覧の取得、またはプリセット(all / none / zodiac)を設定します。 |
set_asterism_visible、list_asterisms、set_asterism_preset |
アステリズムについて同様の表示切り替え、一覧取得、またはプリセット(all / none)を設定します。 |
set_option、list_options |
スライダーやメニューのオプション値を設定するか、設定可能なオプション一覧を取得します。 |
set_time |
ISO 形式の UTC 時刻へ即座にジャンプします。 |
add_time |
時計を進めます(または戻します)。unit は Y、M、D、h、m、s から指定します。duration_ms に 0 を指定すると即座にジャンプし、省略すると短いアニメーションで移動します。 |
set_auto_update_unit |
「Play」再生やステップボタンで使用する時間単位を設定します。 |
time_play、time_stop、time_resume、time_reset |
早送り再生、一時停止、実時間再生、または現在時刻へのリセットを行います。 |
time_increment、time_decrement、time_increment10、time_decrement10 |
時計の「+1」/「−1」/「+10」/「−10」ボタンと同じステップ移動を行います。 |
set_location、get_location |
都市名、保存した場所、または緯度・経度で観測地を設定・取得します。 |
set_look_from、get_look_from |
観測地点とする天体(「Look from target」)を設定・取得します。 |
set_view_mode |
メニューと同じ名前で【Main View】を切り替えます。 |
set_orbit_altitude_km |
【3D Orbit】でのカメラ高度(km 単位)を設定します。 |
set_orbit_iss_track |
【3D Orbit】で ISS 風の簡易周回軌道のオン/オフを切り替えます。 |
set_orbit_fly |
【3D Orbit】で自由飛行のロックを解除します。 |
set_coordinate_system |
座標系(equatorial、ecliptic、galactic、horizontal)を切り替えます。 |
look_at_radec、look_at_equatorial、look_at_ecliptic、look_at_galactic、look_at_horizontal |
指定した座標系の角度でカメラの視線を向けます。 |
camera_rotate |
マウスドラッグに相当する角度(度単位)だけ視線を回転させます。 |
follow_target、follow_view_from |
選択天体の追尾(Track)、または地球・太陽への追従(Camera follows)を切り替えます。 |
show_navigator、show_property_list、show_charts |
左右のサイドパネルやサイドチャートの表示/非表示を切り替えます。 |
set_display_view |
表示枠モード(default、photoreal、presentation)を切り替えます。 |
set_secondary_view_fov、set_secondary_view_sync |
サブ 3D ビューの視野角設定、およびメインカメラとの同期を切り替えます。 |
wait、wait_for_user |
指定時間の待機、またはアプリ画面上でユーザーが「Next」をクリックするまで待機します。 |
get_state、set_state |
現在のビュー状態の読み取り、または指定したキーの状態復元を行います。 |
get_target_property |
現在選択されている天体の【Property panel】の情報を取得します。 |
calc |
選択状態を変えずに、指定した天体のプロパティ情報を計算・取得します(オプションで UTC 日時を指定可能)。 |
calc_validate |
1 つの惑星または衛星の位置を NASA JPL Horizons のデータと比較検証します(ネットワーク接続が必要です)。 |
hms_to_deg、deg_to_hms |
時・分・秒(hms)表記から度(°)への変換、およびその逆変換を行います。 |
dms_to_deg、deg_to_dms |
度・分・秒(dms)表記から度(数値)への変換、およびその逆変換を行います。 |
search、help |
天体・都市名の候補検索、およびコマンド一覧の取得を行います。 |
screenshot |
PNG 画像を保存し、その画像をアシスタントへ返します(省略可能な種類:default、photoview、presentation、presentation_chart)。 |
run_script |
スクリプトコンソールと同じコマンド群を使って JavaScript プログラムを一括実行します。 |
なお、run_script 自体は自動的に【Presentation】モードをオンにはしません。ツールバーを隠して実行したい場合は、アシスタントにプレゼンテーションモードにするよう指示するか、キーボードの P キーを押してください。また、wait_for_user を呼び出すと、ガイドツアーと同様に、クリックするまで画面上に「Next」ボタンが表示されます。
